07
生きる練習
06
何がしたいのか聞かれても困ってしまうから。
クルクル、クルクルつむじ風になりそう。
05
星屑が降ってきて私の魂が星屑と共に一緒にキラキラ舞い散ってくれれば良いのに。
つい涙が溢れてしまうのです。
04
大人になる準備をしていないまま大人になった。
大人な見た目で、大人な態度で、大人な気持ちを作っても、13歳で止まっている心が膨らんで弾けてしまう。
鳥になって丘を飛ぶ夢をみれば、悲しい朝が待っている。
03
ここではない、どこかで堪えてきた気持ちが、固く閉じた瞼の隙間からツーっと流れ落ちる。
帰りの電車はそんな場所。
涙が落ちないように、ギュッと目を瞑ってもジワリジワリと涙が溢れて、瞼が全く役に立たない。
頬を伝いガタンと電車が揺れるとポタリと落ちる涙が止まらない。
仕事で失敗した。
意地悪なことされた。
飼っていた犬が死んだ。
恋人にフラれた。
私の頭の中は、電車の中の淀んだ空気と同じ。
どんなに待っても、開く扉は同じような地下鉄駅のホームが繰り返される。
涙が無くなるような、涙を流さなくても良いような、どこかへ連れて行って。
01
毎日、数字を打っては印刷し。
また数字を打っては印刷し。
悲しくなる「仕事」。
00
私は転職して間もない会社員です。
ようやく1ヶ月が過ぎて職場の人がどんな人なのか、仕事の内容もうっすら分かり始めてきた頃。
意地悪な人はいないし残業もない。丁寧に仕事も教えてくれる。
「良い職場」「恵まれた環境」なんだと思っています。そう思う事が、幸せなんだと思っています。
今の職場は ラジオが流れていて、朝から恋愛の話をするラジオパーソナリティーはゲラゲラ笑い飛ばしていて、選曲もクソダサい。
この選曲をなんとも思わない人間こそが、幸せで恵まれた人なんじゃないかと、本当は思っている節もあります。
私は大学をアッサリ中退して、専門学校に進んだクチ。
専門学校では先輩の先輩。ようするに卒業生であるSさんという人が二十歳の私を夢中にさせました。
先輩の紹介で知り合ったSさんは向井理似で彼女もいて余裕な感じを醸し出している人。
映画や音楽に詳しくて、服のセンスも抜群なので一緒に居るだけで、私も意識の高い人間に思えてくるのは私が若かったせいかもしれません。
Sさんが批判する映画は私も批判したし、Sさんが「あいつの聴く音楽 はクソだ」といえば、そいつはクソ野郎だと思いました。
仕事を始めたけど、すぐ辞めた事すらカッコイイと思ってしまうので、本当に魅力的な人だったのです。
彼女がいるくせに、セックスもしました。
なんでも教えてくれるSさん。
いつの間にかSさんとは疎遠になり、私は仕事を4年で辞めて、転職先でクソダサい選曲をするラジオ番組を聴きながら仕事をしている。と言っています。
憧れていたSさんと同じような人生を歩み、Sさんと同じ思考なのだと思うと、あまり嬉しくはない。