飽きっぽいけど許してね

20代の会社員です。趣味はないけどやりたいことだらけ。

03

ここではない、どこかで堪えてきた気持ちが、固く閉じた瞼の隙間からツーっと流れ落ちる。

 

帰りの電車はそんな場所。

 

涙が落ちないように、ギュッと目を瞑ってもジワリジワリと涙が溢れて、瞼が全く役に立たない。

頬を伝いガタンと電車が揺れるとポタリと落ちる涙が止まらない。

 

仕事で失敗した。

意地悪なことされた。

飼っていた犬が死んだ。

恋人にフラれた。

 

私の頭の中は、電車の中の淀んだ空気と同じ。

 

どんなに待っても、開く扉は同じような地下鉄駅のホームが繰り返される。

 

涙が無くなるような、涙を流さなくても良いような、どこかへ連れて行って。